1日3分から5分、スキマ時間で読めるフランス語講座、第13回。
今回は、 前回解説しましたフランス語のアルファべの上に記号が付いた 、à, é, è, ê, ë, ç, î, ù といった特殊記号について解説です。
café [カフェ]
日本でも café という単語を見かけることがありますが、青い文字の「e」の上についている点は何だろうと思ったことがありませんか。
これが「特殊記号」と呼ばれるものです。
例
français [フランセ] [男] フランス人(男性)、フランス語
répétition [レぺティスィオン] [女] 練習、繰り返し
être [エートル] [動詞] être
Noël [ノエル] [男] クリスマス
Thaïlande [タイランド] [女] タイ
上の例に挙げたのはこれまで使用した単語ですが、中の青い部分の文字が特殊記号が付いたアルファべにあたります。英語では見かけませんよね。
ヨーロッパ圏の言語が形成されるにあたり、英語はとことんまで簡略化する路線を行く中、古代ローマの公用語であったラテン語を起源とするロマンス言語(フランス語、スペイン語、イタリア語等)はその伝統を固持し、現代まで受け継がれたと言われています。
逆に言えばイギリスを起点にして離れれば離れるほど、英語にはない複雑なアクセント付き特殊記号やルールたくさん出てくるということです。
今回の講座ではそれらを解説していきます。
・フランス語に興味がある方
・海外旅行や留学でフランスに行ってみたい方
・フランス語を基礎から学んでみたい方
アクサン・テギュ(accent aigu)
アクサン・テギュは「e」の上に左から右へ上がる短い線がつく記号です。
accent とはアクセントのことで、aigu とは「とがった」や「(音が)高い」という意味を持つ形容詞で、
このアクサン・テギュが付いた「e」の発音は「エ」となることを表す記号であり、
発音するときは「e」よりも口を広く真横に開いて「エ」を言うイメージです。
例
下記の二つの例文の青字の部分、上の文の「e」と、下の文の「é」の二つを聞き比べてみてください。
Il est [イレ]
année [アネー]
下の é の発音の方がやや強調されています。
アクサン・グラーヴ (accent grave)
アクサン・グラーヴは「a」「e」「u」の上に左から右へ下がる短い線がつく記号です。
grave とは「重大な」や「(音が)低い」という意味を持つ形容詞で、
発音は、「è」は少し口を上に開き「エ」と発音しますが、下に向かって発音をすようなイメージで発音してください。
例
préferer [プレフェレ] [動詞] 好む の不定詞(動詞が活用される前の現在形)
préfère [プレフェーㇷ] [動詞] 好む の一人称、二人称、三人称単数の活用形。
「à」「ù」については発音と変わりません。
例
Voilà [ヴォワラ] ほらね
où [ウー] [疑問副詞] どこに、どこへ
「à」 は、単語の綴りの一つとして使われるときよりも、単独で前置詞として使われる
アクサン・スィルコンフレックス(accent circonflexe)
アクサン・スィルコンフレックスは、「a」「e」「i」「o」「u」の5つの母音に付く記号で、それぞれの記号に山の形をした記号を載せた形です。
「ê」のときだけ、発音が変わります。
アクサン・グラーヴと同じで、口を上に開くイメージの「エ」といった感じです。
「â」「î」「ô」「û」に関しては、アルファベの発音と変わりません。
アクサン・テギュとアクサン・グラーヴは頻出しますが、アクサン・スィルコンフレックスの使用頻度は比較的低いです。
例
âge [アージュ] [男] 年齢
vêtement [ヴェトモン] [男] 衣類
île [イル] [女] 島
vôtre [ヴォートル] [所有代名詞] あなたのもの
coût [ク―] [男] 費用、値段
トレマ(tréma)
トレマは、「e」「i」「u」の上に「・・」のような二つの点が載る記号です。
フランス語では、「oe」など母音が2つ並んだときには特別な発音のし方になりますが、これを「複母音」といいます。トレマが付くことで、複母音の発音ではなくそれぞれの母音を別々に発音するという意味になります。
トレマも使用頻度は比較的低いです。
例
Noël [ノエル] [男] クリスマス
maïs [マイス] [男] トウモロコシ
上の例では、もし Noël の「ë」が「e」になると発音は[ネール]という感じになります (Noelという単語は存在しません)。
maïs は、青い字が「i」になると、綴りは mais [メ] [疑問副詞] しかし、発音の仕方も意味も別の単語になってしまいます。
セディーユ(cédille)
セディーユは、「c」の下に付くヒゲのような記号です。 こちらも使用頻度は比較的低いです。
フランス語では、「c」は「カキクケコ」読みと「サシスセソ」読みの2種類が存在しますが、
セディーユが付くと「サシスセソ」の発音で読むことになります。
セディーユも使用頻度は比較的低いです。
例
下の二つの単語の青い部分を聞き比べてみてください。
Canada [カナダ] [男] カナダ
français [フランセ] [男] フランス語、[形] フランスの
「C」は「カ」、「 ç 」は「セ」という「カ行」と「サ行」でそれぞれ子音が違うことが分かりますね。
アポストロフ(apostrophe) と エリズィオン(élision)
アポストロフはアルファベに付くものではなくて、単語を省略するときに使う記号です。
フランス語で単語を省略する際は、それは、母音が2つ連続するときです。
発音することはありません。
例
l’Anglaiterre → La (女性名詞の定冠詞) + Anglaiterre
定冠詞の la と Anglaiterre 、「a」「A」という連続する母音を省略するために、
「‘(アポストロフ)」を「L」の後に付けて「a」を省略し、「L」と「Anglaiterre」 と繋げます。
母音が並んだときに、前の母音が「e」「a」「i」であったら、2番目の単語の最初についている母音の発音で読むルールになっています。これは、2番目の単語の最初が「h」で無音の場合も含みます。このルールのことをエリジオンといいます。
トレ・デュニオン(trait d’union)
トレ・デュニオンもアルファベットに付く記号ではなく、単語と単語をつなぐ棒のような記号になります。
2個以上の単語がくっついて、新しい単語を作るときなどに使われます。
特に発音がありません。出てきたときは、単語ごと覚えてしまいましょう。
例
grand–père [グㇵンペーㇷ] [男] 祖父
île–de–France [イルドゥフランス] パリ周辺の首都圏
2から3つの単語をトレ・デュニオンで一つの単語として扱った例です。
今回のポイントと宿題
たくさんのルールが出てきましたが、アクサン・テギュ、アクサン・グㇵ-ブ、はフランス語で頻出しますので重要であるもののすぐ覚えられるので、ご安心ください。
この二つは、動詞の活用で特に深くかかわってきますので、今のうちに覚えてしまいましょう。
・フランス語ビ特殊記号:à, é, è, ê, ë, ç, ï, ù
最も重要なのは、 é (アクサン・テギュー)と è (アクサン・グラーブ)
・ê (アクサン・スィルコンフレックス)は「e」に付いた場合だけ、発音は 「エ」となる
・ ï (トレマ)は、母音が続いた時におのおの別々に発音するしるしとして使われる
・ ç (セディーユ)の発音は「サ」行
・’ (アポストロフ)、‐ (トレ・デュニオン)は発音しない
2024年には首都パリでオリンピックが開催されるフランスに旅行に行き、現地の人との会話にチャレンジしてみる、フランス文学を読む、映画を楽しむ、もしくは将来的に留学する。今なら日本在住のフランス人と話す機会もあります。フランス語が通じれば、勉強するモチベーションも上がります。外国語を話せることは、楽しいことです。
それではまた次回にお会いしましょう。
Au revoir.
À bientôt.
À la prochaine.
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